懐古…ではないけれど…
宮台真司さんの「ウンコのおじさん」という本の中の一節です。
『教育意図が失敗することで成功する教育』
「多くの親は、親や教員がこうしようと思っている通りに教室運営ができれば、教育が成功したと思いがちです。気持ちはわかりますが、まったくの間違いです。
教育を伝達だと考えているから、間違えます。教育は伝達ではなく「学び」です。「学び」は親や教員の「こうしよう」という教育意図を原理的に超えるのです。
さきにお話しした「良かれと思って抱え込んだら、子どもがへんになった」というのも、そうです。ただし、「教育意図が挫かれ、デタラメになった」という否定面です。いま話した「荒れた学年を見放したら、東大進学率ダントツ」というのは「教育意図が挫かれたら、親や教員が望む以上の結果が得られた」という肯定面です。
東大進学が教育の成功だとは思いません。親や教員がそう思っているから「肯定面」と呼んだまで。「その程度のことでさえ」教育意図の貫徹とは無関連なのです。
なぜ、そうなるのか。そう。僕らの学年は学校に依存できないぶん、自立するしかなかったからです。試行錯誤を繰り返して、必死で勉強と遊びの両立を図りました。
だから、僕らの学年は、進学実績以外にも、ミュージシャンや映画プロデューサーや映画館経営者や海外ミュージシャンの弁護士など、ユニークな人材だらけです。
親や教員に抱え込まれなかったゆえの、教育の成功です。
いまや、全国的にこういう高校は絶滅危惧種になっていると思われます。
3、40年前の某高は、宮台さんが通った高校と同じような校風でした。
勉強も、遊びも、この近辺の高校の中では飛び抜けた存在だったと思います。
しかしながら、今はどうでしょう?
正直に書くと、今は見る影もありませんね。
学校の管理が厳しくなり、生徒たちもそれに従順…という気がします。
時代といえばそれまで…ですが、昔の姿を知る者の一人として、寂しくもあります。
どうにかならんかな。
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